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放射線科診療

前立腺がんに対する強度変調放射線治療

当院では、前立腺がんへの外部放射線治療に、強度変調放射線治療と画像誘導下放射線治療を併用して高精度放射線治療を行なっております。

がんの状態は4段階で分類しますが、放射線治療は全ての段階の前立腺がんに対して行うことができ、また何らかの理由で手術はリスクが高い患者さんにも比較的安全に治療することができます。前立腺がんに対する放射線治療の治療効果は手術による切除とほぼ同等ですが、この従来の放射線治療での限界として、治療して数カ月後に直腸潰瘍・出血で患者さまにご迷惑をおかけすることがありました。

その副作用を減らすため、強度変調放射線治療(IMRT)という治療が普及しつつあります。この治療は、放射線を当てたくない臓器の放射線量を減らすことができ、その結果、放射線治療に伴う副作用が発生しにくくなります。特に前立腺がんにおいて有用性が認められ、治療後の直腸の副作用が減少します。前立腺がんの患者さんは増加傾向で放射線治療を受けていただく方も多くなってきておりますが、ご高齢の方も多くがん以外の病気もお持ちの方が殆どで、比較的負担の少ない放射線治療でも慎重に行う必要がある場合に、このIMRTはお役に立てると思っています。

下は線量分布で、左が従来の放射線治療、右がIMRTとなります。どの臓器にどれだけ放射線があたっているかを表しています。黄色い矢印は直腸を示していますが、IMRTでは、直腸に従来の放射線治療より線量が少なくなっています(赤い矢印)。

前立腺がんに対する強度変調放射線治療 前立腺がんに対する強度変調放射線治療

患者さんには放射線科医師からお話しさせていただき、3回CT撮影を行います。適切なCTを選択して、コンピューター上でシミュレーションを繰り返して、あてたい前立腺の線量とあてたくない直腸へのバランスの良いところを探していきます。計画後は、検証を行い、準備開始から約1カ月後より開始致します。1日1回、平日に最大週5回、合計39回で治療します。骨盤部に照射して放射線の影響で頭の髪の毛が抜けることはありませんし、IMRTを受けておられる患者さまに近寄っても放射線をあびることはございません。この治療自体による入院は不要で、外来通院で仕事をしながらなど日常生活を維持したままがん治療を行うことができるのもこの治療の良い所です。

また、前立腺の位置は日々異なることがわかっています (下図)。

前立腺の位置は毎日異なる

従来の放射線治療では前立腺が日々移動しても、放射線治療を照射する部位は計画時と同じになります(下図)。少し極端な図ではありますが、計画時にはきちんと前立腺に照射されることになっていても、前立腺が移動してしまうと病気のある前立腺に照射しているのか、病気のない直腸に照射しているのかわかりません(赤い線が照射範囲)。IMRTの有効性も損なわれる可能性があります。

前立腺がんの放射線治療の照射範囲

このような問題を解決する手段として当院ではCT一体型リニアックを用いて画像ガイド下放射線治療(IGRT)を行っております。毎日治療直前にCTを撮影して、計画時との誤差を計算してその分を補正して照射します(下図)。これにより、前立腺がどこに移動しても前立腺に正確に放射線治療をすることができ、直腸の副作用を減らせ、さらに、予定通りの治療効果を得ることができます。

CT一体型リニアックを用いた画像ガイド下放射線治療(IGRT)で、前立腺が移動しても追跡して照射する

従来の放射線治療ではこのような前立腺の移動を少しでも少なくするため、排尿後に放射線治療を行います。前立腺の動きが減ってその点ではよいのですが、膀胱は小さくなっていますので、膀胱にあたる放射線は多くなります (下図左)。当院では飲水の上、30分から1時間程度、畜尿して頂いて照射します。膀胱に照射される範囲が小さくなり(下図右)、そのぶん、膀胱の副作用を減らすことができます。当院ではこれらIMRTとIGRTを併用して、直腸や膀胱の副作用の少ない放射線治療を行なっております。

蓄尿した状態で前立腺に照射を行う

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