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教授ご挨拶

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 放射線医学教授 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
放射線医学教授
金澤 右

夢を力に

医学・医療の進歩は日進月歩であり、私たちが専門とする放射線医学も例外ではありません。シャウカステンにレントゲンフィルムをかけて読影する放射線科医のイメージは、はるか昔のこととなりました。それは、あたかも今や見ることのなくなったダイヤル式電話とおなじような存在とすら言えます。ITの進歩は放射線医学の世界でも顕著に示され、放射線診断、放射線治療、核医学、インターベンショナルラジオロジー(画像誘導治療)という私たちが担当する領域では、現在IT技術を駆使し、膨大な電子情報を処理しながら日々診療が行われています。しかしながら、医療に立ち向かう私たちの姿勢は、「シャウカステン時代」と何も変わることはありません。病に苦しむ方々をお助けし、また、早期に疾病を発見するという私たちの使命は変わることはないのです。

「夢を力に」、私はこの言葉を心に刻み込みたいと近年思っています。かつて、治癒することが不可能で、治癒することが夢のように思えた疾患や進行した病態が、現在では治癒することが可能になることを目の当たりにするからです。今から約30年前、私が研修医であったころ、肺がんや腎臓がんは手術でしか治癒できないものと信じられていました。しかし、今や私たちが専門とする放射線治療、インターベンショナルラジオロジー(画像誘導治療)で、患者さんに傷跡を残すことなく治癒できるようになりました。岡山大学病院放射線科では、現在国内最多の腎臓がんの経皮的凍結治療、肺がんのCTガイド下ラジオ波治療を行っており、スタッフの努力もあり素晴らしい成績を上げることができています。肺がんの定位放射線治療もたいへん良好な成績を上げ、さらに2016年からは関連病院である津山中央病院の「がん陽子線治療センター」を共同運用することにより、私たちの放射線治療の世界はますます広がりつつあります。

決してあきらめない、夢を持ち続ければいつかはかなう、当たり前のような心持ですが、人は様々な困難に突き当たり、くじけてしまうことがしばしばです。夢を実現させるにはとてつもない労力、果てしない時間がかかります。しかし、その夢がかなった時の喜びはたとえようもありませんし、何より患者さんに喜んでいただけるのが私たちの最大の幸せです。医療においては、夢をかなえることは一人のみの努力でなされるのではなく、多くの人々の協力、支援により果たされます。私たち岡山大学放射線医学教室は、教室員全員の力を合わせて、「夢を力に」新たな地平線を探索し続けたいと思っております。特に、若い医師の方々がこんな私たちの気持ちを共有してくだされば、本当にうれしく思います。

ダイヤル式電話の時代は長く続きましたが、現在は忘却の彼方となりました。しかし、ダイヤル式電話を経なければ、現在のスマートフォンは出現しなかったわけです。ダイヤル式電話もスマートフォンも、人々の「夢を力に」開発され、それぞれが人類の進歩に貢献したことは疑うべくもないことです。いつも、いつも夢を持ち続けること、それは私たち放射線科医にとっても素晴らしいことだと思います。

平成28年7月

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